一昔前は“有事の円買い”、今は“有事のドル買い”
ロシア・ウクライナ戦争や米のイラン攻撃で・・・
■ 昔:円は「世界が混乱したときの避難先」だった
1990年代〜2010年代前半まで、戦争・テロ・金融危機が起きると円が買われました
理由はシンプルで、
• 日本は世界最大の対外純資産国
• 金利が低く、円キャリー取引の巻き戻しが起きやすい
• 日本の政治・金融が安定していた
こうした条件が「円=安全資産」というイメージを支えていました
(湾岸戦争・イラク戦争・リーマンショックなどで円高が進んだのはこの構図)
🔄 では、なぜ“有事のドル買い”に変わったのか?
結論から言うと、世界の構造が変わり、円の弱点が露呈し、ドルの強みがさらに強化されたから
🧩 理由①:米ドルの「基軸通貨」としての絶対的な強さ
ドルは世界の貿易・金融の中心で、
• 世界最大の軍事力
• 世界最大の金融市場
• 米国債という“世界一流動性の高い安全資産”
を持っています
危機が起きると、投資家は「とにかくドルを握っておけば安心」という心理になりやすい。
これが有事のドル買いの根本
🧩 理由②:原油高が「円売り」を加速する構造に
今回の米国によるイラン攻撃のように中東リスクが高まると、原油価格が急騰します
ここで重要なのが、
• 日本:原油の95%以上を中東から輸入する“純輸入国”
• 米国:石油製品では“純輸出国”に転じている
という構造の違い
つまり、
• 原油高 → 日本はドル建ての輸入コストが増える → 円売り
• 原油高 → 米国は輸出が増えて貿易収支が改善 → ドル買い
同じ原油高でも、円とドルで真逆の方向に動くのです
🧩 理由③:日本の金利が低すぎて「安全資産」としての魅力が低下
日銀は日本経済停滞の中、長く超低金利政策を続けた結果、
• 円を持っていても利息がつかない
• 米国は5%台の金利でドルを持つだけで利息がつく
という“金利の格差”が決定的に
地政学リスクが高まっても、
「円を買う理由がない」
という状態に
🧩 理由④:日本の構造的な円安(貿易赤字・人口減少・投資の海外流出)
近年の日本は、
• 貿易赤字が定着
• 海外投資が増え、利益を円に戻さない企業が増加
• 人口減少で国内市場の成長期待が低い
こうした構造が「円の信認低下」につながっています
国際通貨研究所の分析でも、円の“安全資産としての力”は2020年代に弱まっていると指摘されています
🧩 理由⑤:今回の米・イラン衝突は“ドル高要因”が多すぎた
• 原油急騰(日本に不利)
• 米国の利下げ後退(ドル金利が高止まり)
• 有事のドル買い
• 日本の利上げ後ずれ観測
これらが同時に起き、ドル円は160円台に迫る歴史的円安となりました
✍️ まとめ:
「有事の円買い」は過去の物語
今は“世界が揺れるほどドルが強くなる時代”
かつて世界が混乱すると、投資家は「とりあえず円を買っておこう」と考えました
しかし2020年代の世界は違います
• 原油高は日本にとって“痛み”
• 米国は資源国化し、ドルの価値が上がる
• 日本は低金利・貿易赤字で円の魅力が低下
• 世界の資金は、より強固なドルへ集中
つまり、
「有事=円高」ではなく、「有事=ドル高・円安」
という構図が定着したのです
そして今回の米・イラン衝突は、その構図を象徴する
出来事
原油高と地政学リスクが重なり、円は“安全資産”ではなく“コスト増を抱える通貨”として売られたようです
今後も恐らく続く海外からの影響を受けた物価上昇
相対的な円の価値が下がっていく中、皆さんはどのように資産形成をしていきますか?
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