ついに日本も利上げ、その影響は?? | 足利で活躍するFPがライフプラン設計のお手伝いをしております

ついに昨日7/31に行われた日銀の政策金利決定会合にて利上げが行われました

その幅は狭い（0.1%→0.25％）とはいえ影響は大きくなりそう

では政策金利が上がると我々の生活にどんな影響があるのか

※今回のブログはちょっと長いです💦

そもそもなぜ日銀は政策金利を上げたのか🧐

日銀は消費者物価が安定的に前年比2％で上昇する経済を目指しています

そもそも物価が上がらなければ経済も成長しないし、賃金も上がりません

日銀植田総裁によれば、既に2％超の物価高が2年以上続いていて、

賃上げに伴う物価が上がる好循環が生まれる見極めができたとのこと

でも↑これは表向きの話しで実態は❓

物価上昇には2種類あります

デマンドプル型とコストプッシュ型

デマンドプル型とは景気が拡大することで人々の購買意欲が高まって需要(ディマンド)が増加し物価上昇すること

コストプッシュ型とはモノやサービスを生産する企業などのコスト(原材料価格や賃金など)が上昇した場合に起こる物価高

日本の物価高はどちらでしょう？

当然、後者です

これまでの日銀は今の物価高は「円安や資源高による一時的な上昇だ」として静観していました

その通りだと思います

あと忘れてはいけないのが昨年のインボイス導入

これは実質の消費税増税で、消費税は物価高を生じます

ではその状況が変わったのか？

日本の実質賃金（物価変動の影響を差し引いて計算した金額）は26か月連続で前年を下回っていて過去最長😱

あわせて社会保険料や増税により国民負担率は上がり、可処分所得は減る一方😰

その状況で消費が上がる訳ない、物価は上がっても実際はデフレ

いわゆる物価高と景気低迷が同時進行する”スタグフレーション”に突入中

ちなみにインフレ＝物価が上がること、デフレ＝物価が下がること

と思ってる方は間違いです

正しくは、インフレ＝消費の増大、デフレ＝消費の減少です

さて本題の利上げですが、その影響は？

・借り入れの金利が上がる

一般的に企業が設備投資をする際や個人が住宅ローンなどの借り入れをする時の金利が上がります

金利が上がれば消費は減退し景気は悪くなります

既に三菱ＵＦＪ銀行など大手3行は、昨日の日銀による利上げ受け、円普通預金の金利を現行の０．０２％から０．１０％に引き上げると発表しました

普通預金の金利が上がるということは、住宅ローンの金利も上がる

これから借りる方にも当然影響しますが、現在変動金利で借りている人にも影響してくるでしょう

また企業や個人の借り入れが減ると、市場に出回る資金も減ります

それがさらなる景気後退を生みます

また利上げされると企業の業績は落ちこむので、賃金は上がらなくなります

賃金が上がらなければ人は買い控えするようになるのでさらに景気は落ち込む

一般的にデフレ時（消費が落ち込む）は物価は下がりますが、現在の日本の物価高はコストプッシュ型なのでそうなっても物価は下がりません

・株価が下がる

企業が借入金利の上昇によって設備投資を控えると、事業の拡大や新規市場への投資が困難になるので、経営基盤の成長や収益性の向上は見込めません

成長が見込めなければ株価は下落方向へ傾いていき、経済は低迷していきます

・為替の影響

一般的に日本が利上げをすれば円高になりますが、そもそもその国の通貨の強さはその国の経済力と連動します

一般的に景気が良い国の通貨は買われ、景気の悪い国の通貨は売られます

日本の通貨の強さ（購買力平価＝円の買える力）は1970年代の水準まで後退しています

いわば後進国に戻りつつあるということ

なので一時の利上げで円高になったところで、自国の経済成長を抑制してしまっては本末転倒

長期的にはさらなる日本円の通貨としての力の減退につながっていくでしょう

今回の政策金利の利上げは日本経済にとってマイナスでしかない

それなのに利上げ

今やることでは無いのではないでしょうか

確かに日本人も物価が上がることに慣れてきたかもしれません

でも慣れてきたからといって使えるお金が増えているわけではありません

本来は中小零細で働いている方（労働者の枠7割）の賃金も物価上昇を上回る賃上げが行われ、

皆がお金をもっと使える状況になって消費が安定して増え始めてからの利上げで良いのではないでしょうか

そんなことは日銀の植田総裁も分かっていること・・・

おそらく何らかの外圧が掛かっているのでしょう

その外圧に日本銀行が屈したということ😢

日銀が日本経済の成長（日本人の生活の豊かさ）よりも他のことを優先したということ😢

そしてそれを日本政府も後押しをしているという事実😢